
こんにちは。今回は、私が担任しているクラスで実践している「一人一役」という取り組みについてご紹介します。生徒一人ひとりに役割を与えることで、クラスの雰囲気や学習環境がどのように変わるのか、実際の様子やねらい、得られたメリットなどをまとめました。
一人一役を導入したきっかけ
クラスには、日々の連絡や課題管理、行事の準備など、たくさんの雑務があります。担任が一人で対応していると、どうしても手が回らなかったり、確認ミスが起こってしまったり……。そんな経験が重なり、「もっと効率的に、そして生徒も学びを深められる方法はないだろうか?」と考えた結果が、この「一人一役」でした。
- 生徒一人ひとりに役割を持たせる
→ 生徒が「クラスでの自分の存在意義」を見いだせる
→ 連絡漏れや課題の提出忘れなどのリスクを減らせる
→ 担任が負担から解放され、教材研究や行事企画などに注力できる
もともと、学級経営でよく言われる「係活動」の発展版のようなイメージです。しかし、ただ名前だけがある係にしないよう、「担当の仕事を見える化する」「自分の役割がクラスにどう役立っているか実感できる」ような仕組みにこだわりました。
一人一役で目指すこと
1. 生徒の主体性を育む
「自分がいなければクラスは回らない」という感覚をもてるのは、生徒にとって大きな自信になります。ちょっとした雑務でも、クラスのための仕事をこなすことで、“自分の存在意義”を感じられるようになります。
2. 忙しさの分散と効率化
課題管理を例にすると、すべての授業の課題をひとりの人(教員も含む)が把握するのは大変。そこで各教科に担当者を置き、課題や締切を管理してもらうことで、提出忘れを減らし、必要な情報をクラス全員に共有するのもスムーズに。おかげで担任の私自身もずいぶん助かっています。
3. 生徒への声かけのタイミングを把握しやすい
役割を続ける中で、「最近、この子は仕事が雑になってきたな」と感じることがあります。そこには、「学校以外に意識が向いている」「慣れからくる気の緩み」など、何かしらの理由があるもの。気づいたタイミングで声をかけることで、早めにフォローができるのです。
4. 日々の感謝や保護者へのアピールにつなげる
役割がしっかり機能していると、素直に「〇〇係、助かったよ!」と生徒同士や教員が声を掛け合える環境になります。また、保護者面談でも「○○さんは書記としてこういう仕事をしてくれています」と具体的に紹介できるため、保護者とのコミュニケーションも円滑になりました。
実際にどんな役割があるの?
ざっと挙げるとこんな感じです(クラスや学校の状況によって調整しています)。
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室長
- 号令(起立・礼・着席)
- 整列時の指示・点呼・報告
- HRの司会進行
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副室長
- 終礼で担任からの連絡事項をチャットやプリントで確認し、進行役を務める
- 室長の補助や不在時の代理
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書記
- 終礼時の連絡事項をメモし、チャットグループに共有
- 学校行事の決定事項などを記録
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会計
- 翌日の時間割を専用の用紙に記入し、みんなが確認できるようにする
- 時間割の変更や行事黒板を管理
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美化委員
- 授業後や放課後の黒板清掃
- 学校行事の清掃活動
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体育委員
- 体育の授業でラジオ体操のお手本になる
- 授業の場所や雨天時の対応をクラスに周知
- 体育大会のメンバー決めをリード
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生活委員
- 学級日誌の記入
- 挨拶運動(朝8:00頃から)を定期的に実施
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文化図書委員
- 国語係(国語関連の情報や行事のサポート)
- 文化祭のお茶席企画・運営
- 書籍紹介など
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保健委員
- ストーブの給油や扇風機・暖房の管理
- 病人・負傷者の対応
- (教科保健係兼任の場合は保健体育の連絡も担当)
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補佐(選挙管理委員)
- 書類の配布や欠席者の代理業務
- 生徒会選挙の投票・開票補助
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IT(アルバム委員)
- 学校行事のデータ入力
- 卒業アルバムのクラスページ作成
- 動画編集の手伝い
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教科係
- 各教科の課題と締切を把握し、終礼で周知
- 提出日前日の再周知
- 回収と提出状況の記録
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清掃班長
- 清掃への参加状況を管理
- 長期休業前の教室整備の取りまとめ
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実習班長
- 実習の号令(開始・終了)
- レポートの期限や内容を周知
- 回収と提出状況の記録
このように細かく分担することで、担任も生徒も“どこまでが誰の役割なのか”を明確に把握できます。責任の所在がはっきりするため、「自分の仕事じゃないし」といった言い訳も減りました。
成果とこれからの展望
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課題や提出物の抜け漏れが減った
提出期限の周知や回収に担当者を置くことで、忘れる生徒も減り、スムーズな進行ができています。 -
生徒のやる気や自立心が高まった
「自分の仕事がクラスに役立っている」という実感を得やすいため、登校意欲やモチベーションが向上。日々の声かけや活動を見ても、活気が出てきたなと感じています。 -
担任としての余裕が増えた
これまでは雑務処理に時間を取られていましたが、かなり軽減されました。その分、授業の準備や個別の学習相談、行事の質向上など“教員にしかできない仕事”に集中できます。 -
さらに新たな役割を生み出せる
役割が板についた生徒には、より高度な仕事(HR案やクラス独自イベントの企画など)を提案してもらうことで、相乗効果が生まれそうです。
まとめ
「一人一役」の取り組みを始めてみて、生徒一人ひとりの個性や強みが活かされる場面が増えました。クラス運営上のトラブル(提出漏れや連絡不行き届きなど)も格段に減り、私自身も生徒と余裕をもってコミュニケーションをとることができるようになりました。
単に教員が「楽をするため」に生徒を使うのではなく、「教員も生徒もウィンウィンになる」ことを目指しています。生徒たちも、自分の担当をしっかりこなすことで感謝され、クラスに必要とされる喜びを感じているようです。
もし、クラス運営で悩んでいる方がいれば、「一人一役」という考え方をぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。最初は少し手間がかかりますが、仕組みが整えば大きな効果を実感できるはずです。私も引き続き、実践を重ねながら改善していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!